イベントレポート
田んぼの四季2023~田んぼで学ぶSDGs~ ①
苗代づくりと田んぼの生き物
4月22日(土)、「田んぼの四季2023」第1回講座がなにわECOスクエア及び自然体験観察園で開催されました。
本講座は自然観察体験園にある田んぼで実際に稲作りの作業を行い、四季を通じてその周りの自然や生物多様性についても学んでいくものです。
今回の参加者は34名で、講師は大阪市エコボランティアの忍喜博さんと中谷憲一さんです。
最初に講師の忍さんから、この講座全体の説明とこの日の進行の確認がありました。
昨年まではコロナ感染症の影響で少ない人数での講座でしたが、今年は以前のような人数に戻っています。
楽しみにされていた方も多くおられたと思います。
本日は苗代づくりをする予定ですが、まずは研修室において、忍さんから自然体験観察園の田んぼについての説明と塩水選のお話がありました。
塩水選とは、品質の揃った米を作るため、一定の濃度の塩水で沈んだ籾を選ぶ方法です。
本来は、手持ちの種籾の中から、田んぼに播くのに必要な分量の籾を選び出すための合理的な方法で、実際に忍さんが参加者の前で再現して見せてくださいました。
塩水選の実演の後、苗代づくりについての説明がありました。
続いて、講師の中谷さんから田んぼでの生き物調べの説明を聞いてから、いよいよ外に出て、苗代づくりと生き物調べを行います。
人数が多いので、外ではABの2班に分かれて行動します。
A班は先に苗代づくりをして、後半は田んぼに移動して、生き物調べをします。B班は先に生き物調べをして、後半苗代づくりをします。
苗代には古代米(紅茜と緑万葉)とうるち米(ヒノヒカリ)もち米(ヒヨクモチ)の4種類の種籾を使いました。
古代米は、例年は赤米と黒米を用いていましたが、今回は黒米が手に入らなかったので赤米と緑米を用いています。
苗代づくりは、まず網目状のバットの上に土を全体にのばして置きます。
水をかけて湿らせた土の上に種籾を重ならないように広げて播きます。
播き終わったら、上から土をかぶせて、バットにひもをつけて二人で、水を薄く張ったコンテナにそっと沈めていきます。
高さを等しくしながら、協力してゆっくりと。網目から水が上がり、バット全体が水につかります。
次回6月の田植えの頃には、苗がすくすくと育っていることでしょう。
自然体験観察園の田んぼでは、春になりいろんな生き物を観察することができました。
つかまえた昆虫やカエルなどの生き物や、植物の名前など、講師の中谷さんにたずねると、即座に答えが返ってきます。
皆さん、虫取り網やかごを持って熱心に生き物をさがして、次々と中谷さんにたずねておられました。
お天気も良く、レンゲやいろんな草の花も咲いており、その蜜を求める虫などもいて、にぎやかな田んぼでした。
外での活動を終えて、研修室に移動して今日のまとめをします。
まず中谷さんから、田んぼでみつけた生き物についてのお話です。
皆さんがつかまえた生き物を中谷さんが撮影した写真を見ながら振り返ります。
時には部分を拡大して、詳しい説明をされるので、皆さん興味津々でモニターに注目されていました。
ホワイトボードには本日みつかった生き物が、蝶やカエルなど正式名で18種類も書き出されました。
最後に忍さんから次回6月11日(日)の田植えでの持ち物や注意事項の連絡を聞いて、今日の講座は終了しました。