イベントレポート
★3月虫の日が、3月18日(土曜日)に行われました。
今年度最後の虫の日は、あいにくの雨模様で研修室での講義が中心のガイドの日となりました。
講師は、大阪市エコボランティアの西田さんです。
スライドを見せてもらいながらお話を聞きました。まずはカメムシのお話からです。カメムシは、天敵の少ない冬のうちに卵を産み、栄養分のある卵塊で栄養を補いながら大きくなります。
次にカイガラムシについてお話を聞きました。カイガラムシも孵化した後は、カラのまわりにロウ状の栄養分を持っています。それを食べて大きくなります。
色々な種類のカイガラムシについての話があった後、コチニールカイガラムシを原料とした色素について聞きました。これは、天然の着色料で、蒲鉾・チョコレートなどの染色剤、口紅、アイシャドー等「赤色」を出すために古くから使われています。
◎昆虫の顔の写真を、スライドで見ました。
◎昆虫の捕食の様子をスライドで見ました。
◎アブラムシの生態をスライドで見ました。
春から秋に生まれるアブラムシは、メスばかりです。マトリョーシカのように何世代もの幼虫が体内にいます。
秋になるとオスが出てきます。そして交尾して卵を産みそのまま越冬します。
アブラムシがどんどん生まれてくると密生の状態になり、すると食べ物が無くなります。そうすると、羽の生えたアブラムシが出てきます。これは、他の場所に飛んでいって餌をとるためです。
アリはアブラムシの排泄物(甘露)を糖質のエサとして摂取します。
それだけでなく、アリは、アブラムシを動物性のエサとして捕食もします。これは、アブラムシの数が増えすぎた時だけで、少ない場合は捕食しません。
そのようにして、アリとアブラムシはうまく共存しているのです。
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ようやく雨が止んで来たので、自然体験観察園にでました。子供たちは、大喜びです。さっそく虫探しに取り掛かりました。
コウホネ池の近くでカイガラムシが見つかりました。
実生林で菰を外すとワラジムシ・クモなどがでてきましたが、虫はそれほど多くは見られませんでした。
暖かくなったのでもう虫たちはでていったのでしょうか。
自然体験観察園の入口付近にあるミカンの木の葉っぱにヤノネカイガラムシが、たくさんいました。⇒
⇓スス病にかかったゲッケイジュの葉もありました。
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◎研修室に戻りカタツムリの生態についてお話を聞きました。
カタツムリは雌雄同体です。ゆっくりゆっくりと進むカタツムリにとって、オスがメスに…メスがオスに…出会う確率は非常に低いです。それで雌雄同体になっていると考えられます。
カタツムリの生態でも、アブラムシの生態においても自然の中では色々な生き物が、生態に合わせて色々な進化をしています。自然って本当に不思議がいっぱいです。今日は外での観察の時間は少なかったですが、たくさん学ぶことができました。
今回で今年度の虫の日は終了です。四季折々でいろいろな虫たちと出会いました。子供たちも虫が大好きです。これからも生き物を通して色々なことを学んでいってほしいと思います。
一年間、ありがとうございました。