イベントレポート
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【レポート】小学校指導者向け研修(オンライン講座) 2022(2/13・2/15開催)
2月13日(月)と2月15日(水)にTeamsでのオンラインで、「小学校指導者向け研修」を開催しました。
講師は、元大阪市教育センター研究官で元京都教育大学非常勤講師の谷村載美様です。
講演タイトルは「自然共生社会の担い手を育てる―生物多様性を考える―」です。
お話される内容はご覧のようになっております。
なぜ、生物多様性を守る必要があるのか、改めて生物多様性とは何かということからお話しされました。
生物多様性の恵みで一番先に思いつくのは食べ物ですが、他にもいろいろなものがあることを参加者は教わりました。
その恩恵のことを生態系サービスという。ということで幾つか例を挙げられ、生物多様性は私たちの生活の基盤でありSDGsの根幹であると説明されました。その土台となるのが環境であり、その土台があってその上に社会や経済が成り立つ。だからこそ生物多様性保全が求められるとのことでした。
子どもたちにも生物多様性保全への意欲と態度を育むことが課題であるとのことで、以下のことを紹介され、行動の変革を促すために自然体験を通した自然体験への参加で意識の向上が求められていると説明されました。
内容を学習するにあたり、市立の小中学校の授業の中で使用するために発行されている副読本「おおさか環境科」をご紹介されました。地球温暖化、生物多様性、ごみ減量、都市環境保全など、持続可能な社会づくりに向けた環境教育の充実に向け、活用することができます。
次に身近な自然を活用した実践例を紹介されました。
発達に応じて違った狙いの設定が必要であるとのことで、右の表のように説明されました。
以下は実際の観察の様子や、学び・気付きについての学習の雰囲気です。
そして地域や学校の環境に配慮した多様な生物が生息できる空間、ビオトープの設置を推奨され、周辺の樹林や川との生物の行き来に利用できるネットワークの構築も重要であると述べられました。
最後はワークシートを利用し、
①生物多様性についてふれよう
②生物多様性を守ろう
③生物多様性を伝えよう
この3つについて参加者は意見を出し合いました。
「守らないといけない状況を作るのが難しい、どんな問いかけをするとそう思えるのかな?」といった参加者の意見に対し、谷村先生は「仕掛けづくりが大事。例えば国語の本に出てくる現地での話で得られるような環境に関する情報や物語を例にだし、自分の周辺の環境と置き換えて考えさせてみるといい。」と述べられました。
学校の中に自然が殆どない学校の校長先生は、その中でどのように観察させるか悩まれましたが、学習園での仕掛けづくり、雑草を刈り取らないで置いておくことを提案されました。それに対し谷村先生は、「何の為にそれをしているのか、掲示板を設置するなどして周囲の人に知ってもらう必要がある。」と助言されました。
また校長生成は以下のように自校の取り組みを提案されました。
1年生では、次年度の1年生にビオトープを紹介する目的で生きものを採集・観察する。
3年生からは、理科の学習が始まり生きもの探しをするのでビオトープを中心に図鑑などを用いて、学校の皆の為に生きものBOOK作りをする。
4年生は四季の変化を捉えながら植物を中心に生きものBOOKを作れば評価横断的な学びもできるなと思った。
6年生ではビオトープでホタルの繁殖を続けていけるように調査研究をして5年生に伝えていく。
という段階に応じた案を出されました。
それに対し谷村先生は、4年生の提案内容に対し植物だけでなく他の生きものとの繋がりを伝える必要があり大切であると助言されました。
以上のように、参加された皆様には非常に興味をもっていただけた講座となりました。
当日の講演の様子をYouTubeに掲載いたします。