イベントレポート
【レポート】幼児期指導者向け研修① 「こどものための環境教育」
9月14日(水)に、なにわECOスクエアで、大阪市内の就学前施設教職員を対象にした、幼児期指導者向け研修の第1回を開催しました 。
講師は、野たまご環境教育研究所代表の後藤清史さんです。
今回、1回目のみ初めて午後からの半日のコースとして実施しました。
第1回のテーマは、「身近にできる環境教育」です。公園などの身近な環境やそこにある自然物を利用した環境教育のアクティビティを体験し、単なる自然とのふれあい活動からの発展を学びました。
最初に、参加者に「夏の思い出」「苦手な生きもの」「環境教育で知りたいこと・聞きたいこと」など、それぞれの思いを紙に書いてもらいました。
その後、アイスブレイクのじゃんけんゲームで体をほぐし、先ほど書いた紙で自己紹介を交えながら研修目的の共有を行いました。
まずは、屋外に出ました。2人組になりジャンケンをして、勝ったら負けた人に「犬」「猫」「ハト」のどれかの真似をするように指示するといった内容のアクティビティには、恥ずかしさを忘れて楽しそうな笑い声が聞こえていました。また、「虫の足の数」や「牛の角の本数」で人数ごとにグループになったりと、木陰で楽しんで学習できました。
そして次に、紙袋を渡された参加者は、中に入っている葉っぱ6種類を取りだしました。この葉と同じ種類の物を生えている木から探しだすといった内容の、次のアクティビティで使う部材です。
少し移動して木々の生えているところでそれは始まりました。
様々な樹木が生い茂る中、葉の特徴を注意深く観察しながら同じ葉っぱを探します。
改めてじっくり見ることで、葉のギザギザの位置や硬さが種類ごとに違うことに気づきます。
太陽光で葉を透かしてみたりして、葉脈の模様の違いも知ることができました。
熱中症対策ということもあり、一旦室内に戻り少し休憩をとりました。
その時に後藤先生は「手は出すな、でも目は離すな」という、子どもの教育で重要なことを話されました。参加者の皆さんは静かに聞き入っていました。
そして再び屋外へでて、アクティビティを行いました。下の右の写真はしゃがみこんでいつもと違った視線で林床を眺めている様子。子どもの目線になって見る重要性を教わりました。
次は2人1組になり、どの木に誘導されたか当てるゲームを体験しました。
やり方は、片方の人が目をつむってグルグル回った後、もう片方の人に手を引かれ足元に注意しながら誘導された木を触ったりして覚え、また違うところに誘導されてグルグル回転した後に目を開けどの木に誘導されたのかを当てるというものです。
足から伝わる地面の角度の感覚、目をつむって感じ取る太陽の位置、触った木の触覚などを最大限に使ってどの木だったのか当てていきました。
足元は突き出た木の根っこなどで危ないので、誘導する側の参加者が注意喚起をしながらゆっくり楽しんで学習しました。
次に目を瞑った状態で、木と木を繋ぐように巻き付けたロープを掴んで、手探りで前に進んでいくアクティビティを体験しました。木の枝などをうまく避けながら進んでいくのはなかなか難しいようで、喚声があがっていました。
下の右の写真は、この林にはブナ科コナラ属の木々が多く生えているので、先生の指示の下、足元に落ちているどんぐりを集めている様子。どんなアクティビティに使うのかな~?
広い場所に出て、次のアクティビティ「リスの苦労」を行いました。スタート地点とゴール地点にメジャーを引いて印とし、ゴール地点には先ほどまで皆で集めていたどんぐりを撒いておきます。3グループに分かれて順番に1つずつ取りに行き、取れた数を競い合いました。
屋外でのアクティビティを終了し、最後に再び室内へ戻りました。
そして体験して気づいたことや今後どう活かしていくかなどを話し合いました。
質疑応答の後、最後に先生は、「先生が日常に追われているとその姿しか子どもは見ていない。一息つくのも重要。また、屋外で肌で感じる冷たさ、温もりも環境教育に繋がっていく。」と告げて研修を終了しました。
参加者からは、「身近にある葉っぱ一枚一枚でも遊びだったり、子どもの体験に生かすことができるのだととても興味深かったです。」といった感想や、「自然の中にあるものを見たり、触ったり、におったり・・・子どもの五感を使ったあそびをこれからも工夫していきたいと思った。また、保育者の感性も豊かでありたいと思うので、日頃からいろいろな視点、視野で世界を見ていたい。」との向上心を伺える感想をいただき、大変充実した研修となりました。
次回は11月15日(火)の開催となります!