スーパーの食品は、手前から取る。 はじめよう!「まえどり」習慣
お買い物の時、陳列棚の前から商品を取るだけで、食品ロスを減らすことができることをご存知ですか?
今回のコラムでは、食品ロス削減につながる誰でも簡単に始めることのできる「まえどり習慣」についてご紹介します。
「まえどり習慣プロジェクト」を立ち上げられたSDGs WIPマネージャーの今津知那美さんにお話をお伺いしました。
―前回のコラムの中で、事業の中でも家庭でも食品ロスを減らすことが大切なことがわかりました。食品ロスを減らすためにできる「まえどり習慣」とはどんな仕組みなのでしょうか?
まえどり習慣は、スーパーやコンビニで食品を買うときに、すぐ食べるなら手前に並んでいるものから取ることです。これがなぜ食品ロスを減らすことになるかというと、小売店での商品管理に理由があります。
比較的日持ちのする食品に賞味期限が書かれていることはご存知だと思いますが、小売店では、賞味期限ぎりぎりまで食品を店頭に置くことはありません。賞味期限を3分の1ずつに区切り、最初の3分の1までを「納品期限」、次の3分の1までを「販売期限」としていて、この「販売期限」を過ぎると、賞味期限が残っていても店頭から撤去され、廃棄処分の対象になってしまうんです。ですから、陳列棚の一番手前にあるものを取ることで、食べられる食品を廃棄する食品ロスを減らすことができるのです。
―商品を前から取るだけで削減につながるとは、今日からでも始められそうです。もっとたくさんの方に知ってほしいですね。
このプロジェクトを立ち上げたのはどんなきっかけからでしょうか?
「まえどり習慣」は元々、SDGs WIPが所属する一般社団法人国際SDGs推進協会の土坂理事長がスーパーなどの事業所向けに作られた企画でして、それを見た時に私は、衝撃を受けたんですね。私はもちろん、棚の後ろにある日付の新しいものを取っていたからです(笑)。
そして、誰でもすぐに始められる「まえどり習慣」を、一人でも多くの人に分かりやすく伝えるために「まえどり習慣プロジェクトチーム」をWIPの中で立上げてメンバーを募りました。このプロジェクトを通じて、子どもたちに豊かな地球を残すために、わたしたちがいまできることを情報発信していきたいと考えています。
ー「まえどり習慣プロジェクト」、まずかわいいキャラクターが目を引きます。今後このプロジェクトはどんな展開を予定されていますか?
まえどりちゃんは、合鴨のあかちゃんです。合鴨農法では、合鴨は田んぼの雑草や虫をきれいに掃除してくれる環境の見張り番です。商品の前に立っている子どもの将来に豊かな地球を残すというスローガンを伝えるために生まれました。
これからの予定として、まえどり習慣セミナーの開催です。すでに、チームで依頼を受けていまして、セミナー用の資料をチームで作成を始めています。
まえどり習慣プロジェクトは、これをきっかけに、身近にできる食品ロス削減につながる意識や行動を変えていく取組みですので、WIPのHPやSNSを活用して様々な情報を紹介していく予定です。
【例】
・食品の保存の仕方
・季節の食材を使った「献立」の紹介(材料や作り方は不要)
・食品の賞味期限について、等の豆知識
・地域での食品ロスに関する取り組みの情報
将来、スーパーの食品コーナーで、「お母さん、まえどりやな」と親子で会話をするのが当たり前になる社会をめざしています。
自分らしく活躍する人と組織を育てる専門家。コールセンターで20年以上女性社員の人材育成に関わった経験から、「人は適材適所に配置されると必ず成長する」という信念を持つ研修講師。コールセンターという女性が多い職場で、結婚や出産、育児といった人生の節目で仕事との両立に悩み、退職していく女性を見る中で、「様々なライフステージにおける女性の活躍を応援します」をビジョンとする、SDGs WIPの設立メンバーとして活動している。