<イベントレポート>なにわの伝統野菜講座 秋 レポート

令和5年9月9日(日)に、「なにわの伝統野菜講座 秋」の第1回を実施しました。
講師は、大阪市エコボランティアの小川咲恵さんです。
この講座は、「なにわの伝統野菜」を知り、野菜づくり体験を通して、さまざまな生物や自然環境が私たちの暮らしに関わっていることを学ぶ3回連続講座です。
本日は、7家族22名(大人:11名、子ども:11名)の方にご参加いただきました。

まず初めに、研修室で、講師の小川さんから、なにわの伝統野菜のお話をしていただきました。

大阪は、古くから「食い倒れの街」と呼ばれ栄えた都市で、食文化を支える大阪独特の野菜が多数あったそうです。
しかし、私たちの生活の変化とともに食べる物が洋風に変わっていき、田畑が家やビルになり、そして地域独自の伝統的な野菜が生産性を上げるための品種改良等で店頭から消えていき、なにわの伝統野菜が作られなくなっていったそうです。

ですが近年、伝統ある野菜の見直しが進んでいき、「なにわの伝統野菜」も発掘と復活が進んできました。
大阪府は、なにわの伝統野菜として19品目を認証していましたが、令和5年5月からは新たに「馬場なす」、「貝塚澤茄子(かいづかさわなす)」が仲間入りしたそうです。
(詳細は、大阪府のなにわの伝統野菜のHPで確認できます。)

講義終了後、自然体験観察園の畑に移動しました。

今回は、4班にわかれて、畑で「高山牛蒡(たかやまごぼう)」「堺鷹の爪(さかいたかのつめ)」などを見学してから、「田辺大根」と「天王寺蕪」の種まきと「難波葱の干し苗」の植え付けを行いました。

畝に3本の線を引ひき、両側の線に種をまきます。
「田辺大根」の種まきでは、両側の線に木の棒で穴をあけていき、穴の四隅に種をまいていきました。

「田辺大根」と「天王寺蕪」の畝の真中の線には、虫よけに春菊の種をまいていきました。
違う野菜を一緒に栽培することにより、虫の発生を抑えたり、成長が良くなったりするそうで、相性の良い野菜同士のことを「コンパニオンプランツ」と呼ぶそうです。

「難波葱の干し苗」も植え付け作業を行いました。
「田辺大根」と「天王寺蕪」には子どもたちが力を合わせて水まきをしました。

「難波葱の干し苗」は、根が腐らないように、4日ぐらいあけてから水まきをするそうです。

次は勝間南瓜(こつまなんきん)の収穫をしました。

その後「田辺大根」と「天王寺蕪」の畝に移動し、緑肥として「えん麦」の種をまきました。
えん麦が育ったら緑肥として使用するそうです。

そして、農事小屋に移動して「吹田慈姑(くわい)」を観察しました。

研修室に戻り、収穫した「勝間南瓜(こつまなんきん)」と普段よく食べている西洋かぼちゃの違いを教えてもらいました。
最後に、今日観察したなにわの伝統野菜を、大阪市の地図を見ながら原産地市町村と歴史の勉強をしました。

次回は10月28日(土)、第2回講座「作物と生き物の関係の話」です。
野菜の成長を観察し、「碓井豌豆(うすいえんどう)」の種まき、「泉州黄玉ねぎ」の苗の植え付けを行う予定です。