イベントレポート
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【レポート】おおさか市民環境大学2022 第3回
2月12日(日)にZoomでのオンラインで、「おおさか市民環境大学2022 生物多様性とゼロカーボン社会~子どもたちに残したい未来~」を開催し、32名の方にご参加いただきました。
4連続講座の第3回である今回の講師は、積水ハウス株式会社 ESG経営推進本部 環境推進部の八木 隆史様です。講演タイトルは「新・里山とおおさか生物多様性パートナー協定」です。
お話される内容は大きく分けて左の3つの内容となっておりました。
まずは積水ハウスさんの取り組みについてご説明されました。
家の中の暮らしの安全安心は勿論、家を一歩出た時にも豊かで楽しい暮らしを考える必要があるとのことで、環境への取組みについて、いつから、どのようなことをされておられるのかのお話がありました。
その中でも、2001年から始められている「5本の樹」計画の説明をされました。
住宅地が集まっている庭というのは、里山と里山をつなぐ重要なポジションであり、5本を植えるのではなく、1本でも植えると、環境を支えるのに役立つとお話されました。
また、外来の樹種よりも在来の樹種を植えることで、それを利用する生きものたちが桁違いにいることをご紹介されました。
図のような「質の高い緑地」がうまく繋がってネットワークとなっていく事で、生物多様性をまもることに繋がるとご説明されました。
また、お客様に理解して頂く為に樹木の紹介に加え、どのような生きものが利用できるかが紹介され、更に植えた後に手入れをするためのオリジナル図鑑「庭木セレクトブック」の紹介をされました。
また、琉球大学との共同研究による結果のご紹介もされました。
その中から一部をご紹介しますと、以下のグラフのように鳥類、チョウ類にとってご覧のような効果が現れたとのことです。
※数値は実際に来たということではなく、呼び込めるくらいの環境をしっかり作ることができたとの意味合いです。
最後に、それまではワイルドフラワーガーデンと呼ばれていたお花畑を、「5本の樹」に沿った考えの里山に変えていった企業緑地「新・里山」の紹介をされ、そこに棲んだり利用する生きものたちの紹介や、そこで行われているイベントの紹介などがありました。
右記に御座いますQRコードより、講座内でご紹介頂いた、「5本の樹」計画や、オリジナル図鑑「庭木セレクトブック」が見られます。
(読み取りにくい場合はQRコードを拡大してから読み取り下さい)
最後の質問のコーナーでは幾つかの内容が寄せられましたが、少しご紹介させて頂きます。
<質問>
新・里山の手入れはどのようにされていますか?自然の力を生かすためにどのようなことに気を付けているのか?
<回答>
自然の力だけでは維持が難しい部分をガーデナーさんが常駐して管理している。剪定で風通しを良くすると同時に、害虫が発生した場合は昔のように殺虫剤を使って全て殺してしまうようなことは避けて管理している。
<質問>
うめきた2期地区開発事業について知りたい。
<回答>
当社も中に入らせて頂いていて、在来のものを利用する事を計画に入れさせてもらうのは勿論だが、元々この地区は湿地帯であったとのことから、湿地帯の環境を作り出そうという話がある。もうだいぶ木が立ちだしているが、最終的には都市の企業緑地や公園が一体となって広がるようなネットワークの計画を取り入れてくれている。
以下はアンケート結果の例となります。
<例>
「5本の樹」は市民も参加しやすいとても素敵な発想だと思いました。我が家も庭のエゴノキが枯れ、鳥が来るような樹を植えたいなぁとちょうど思っていたところです。在来種と外来種に来る生き物の数の違いにも驚きました。大きくなり過ぎると手入れが大変なので、良い樹がありましたらアドバイスをいただけたらと思います。 とても勉強になり楽しく拝見いたしました。 ありがとうございます。
<例>
積水ハウス様の保有されている公開データを知ることができ参考にしたいと思っています。素敵な取り組みの紹介は大変勉強になりました。有難うございます。
また、「講座、イベントで得た知識を利用して、自然を保持し、次世代に繋ぎ渡せるようにすることに役立ちたい。」や、「わが家は庭がないので、ベランダテラスで木や花を植えていますが、今日の講演を参考に、今後は在来種(あれば山椒)や柑橘系の木を植えてみたいと思います。梅田スカイビルの新・里山は知らなかったので、ぜひ行きたいと思います!」のように、この講座がきっかけで実際の保全活動や家庭での植栽の選定にプラスとなるようなコメントが多く寄せられました。
講座・イベント後の行動意識の変化についての質問には、85.2%の人が「大いに変化があった」「変化があった」と答えており、今回の講座によって殆どの方の環境マインドの向上が見られ、非常に有意義なものとなりました。
■講演後に参加者より質問を1件頂戴しておりますので、内容と回答を以下に掲載いたします。
<質問>
お客様が5本の樹を導入後のメンテナンスについてどのように関われていますか
<回答>
当社は、お引き渡し後のお客様の窓口としてカスタマーズセンターが、エリアごとにあり、住宅(当社で工事をしたお庭も含め)の困りごとの相談窓口となっております。それ以外にも、ネットオーナーズクラブというお客様専用のウェブサイトにガーデン相談を行い、社内の樹木医や、社外の専門家の協力を得て、ご対応しています。さらに、当社は、住宅のお手入れ方法をまとめた「住まいのしおり」を発行し、すべてのお客様にお渡ししていますが、お庭に関しても別冊で、ご用意しています。フェンスやウッドデッキのメンテナンス方法もありますが、剪定から病虫害の対応まで、半分以上が、植栽に関する内容となっています。
■次回は3月11日(土)に開催致します。